こんにちは!ピョンコです。
水泳インストラクターの経験があるピョンコが今回お話しするのは、実際に水が苦手な子の水泳指導をして感じたこと、また指導を始める前に伝えていることをご紹介します。
水が苦手な子の多くが、感覚が敏感であったり不安感が強い、また自信が持てず自己否定的になりがちな特徴を持っていました。
あくまでピョンコが経験した中で感じたことなので、全ての人や事柄に当てはまる訳ではなく、個人が出した見解の1つとして読み進めて下さい。
心がまえの話
いつも水泳指導に入る前に子ども達とその保護者の方に伝えていることがあります。当然、水泳を習いに来てくれているので泳ぎについての指導を行うのですが、それだけではなく、
こうして何かの縁で出会った機会を活かし、ピョンコと関わったことで少しでもその子にとって良い刺激になりたいと思ってるので、保護者の方にもピョンコの話を聞いてもらう時間をつくって頂いてます。
子ども達へ3つのお願い
指導を始める前に保護者の方も一緒にいる場所で、子ども達に語りかける内容が3つあります。ピョンコのクラスのレッスンでは、この3つを頑張って下さい!と子ども達にお願いしています。
プールに来てね
まず1つ目は、『プールに休まず来ること』です。えー習いに来てるんだから当たり前でしょう!と思ったかもしれませんが、水が苦手な子にとって、プールに行くこと自体がすでに試練です。
さぁプールに行く時間だよ!と声をかけようものなら、幼い子であれば泣きじゃくるでしょうし、小学校の高学年の子でさえ今日は調子悪い気がする・足が痛い・お腹が痛いなどと言い始めるでしょう。
嫌なことを避けるために子ども達も必死です。そんな抵抗を見せる子ども達に水泳指導をするには、まずプールに来てもらうことが指導者の最初のミッションです。
プールに来てくれないことには水泳指導もへったくれもないですからね。
1つ目のお願いは、プールを休まないことです!お家でゲームしながら頭の中で泳ぎの練習をしても泳げるようにはなりません!まずはプールに来てください!簡単だよ。今ここにいるみたいに、プールに来るだけで良いからね♪
このように語りかけた後、必ず子ども達に反応してもらいます。
「次もプールに来れる人は、手を挙げて!」
この言葉に対して今のところ参加者全員が手を挙げてくれています。
子ども達へ語りかけるときは、こちらからの一方的な働きかけにならないように必ず子どもにもリアクションをとってもらいます。こちらの望む反応になるよう多少の誘導はしますが…子ども達のやる気を引き出すために必要なことだと思っています。
そして子ども達がリアクションをとってくれたら、すかさずこちらも返します。
お!みんな次もプールに来れるんじゃ!いいね~!待ってるよ~!
こんな感じで、子ども達が反応してくれたことに対して、またこちらもリアクションをします。この反応のキャッチボールを指導中も大切にしていて、必ずピョンコ側で終わるようにしています。
あなたからの働きかけをちゃんと受け止めているよ!と相手に伝わるようにすることを心掛けると、その相手との信頼関係を築くことができます。
特にこの初心者指導では、まずは相手に信頼してもらうことが上達させる近道となります。子どもも、信頼できない相手の言うことを聞こうとは思いませんからね。
限られた時間の中で指導の効果を発揮させるために、まずは信頼されることが必須条件です!
気持ちを教えてね
次に2つ目のお願いは、『自分の言葉で思っていることを伝える』です。初心者指導でよくあることですが、とにかく嫌なことを避けたい子どもの抵抗手段として、泣く・逃げる・黙る・固まるなどがあります。
15名ほどの子ども達を一斉に指導するので、スムーズに水泳指導を行うためには早めになんとかしておきたい行動です。
色んな子ども達を見てきた経験から、指導者はその子が今なにを思っているかが大体は分かります。分かりますし、指導を進めるためにサッサとやり過ごしてしまいたいところです。
しかし、あえてそこは先回りなどせず、その子が自分の気持ちを話してくれるようになってほしいので、その子と一緒に問題ある行動に向き合います。
ここで、その向き合っている間は他の子ども達どうしてるの?と感じると思いますが、工夫さえすれば15名の集団指導をしながら、それぞれ個別指導をすることは可能です。
これもピョンコが水泳指導で大切にしていることの1つですが、集団をみながら一人一人の個別指導をすることを心掛けています。
「一人一人を見ているよ!」
とアピールすることも、子ども達のやる気に繋がります。見られていると意識させるだけで、問題行動を抑制することもできますし、同時に頑張っているところも見ているので、声掛けをして子どもの承認欲求も満たせます。
話が脱線しましたが、自分の気持ちを言葉にすることの重要性を、指導に入る前にザックリと子ども達に話します。
何か困ったことがあったら教えてね。泣いても良いけど、泣いてるだけじゃ先生は分からないよ。どこかが痛いのか、トイレに行きたいのか、お腹が空いたのか、眠たいのか、みんなの頭の中が透けて見えるわけじゃないから、教えてくれないと分かりません!だから思ったことは教えてね!どんなことでも良いからね。
言葉にしないと伝わらないということを話し、子ども達が実際に話しかけてくれたときは「教えてくれてありがとう」と感謝し、1回目はなるべく要望に応じます。
段々と慣れてきたころに、子どもからの要望がただのわがままになってきたら、ピシャリと断り指導を進め、本来の目的である水泳に気持ちを集中させます。
こうしたメリハリのある指導を行うことで、子ども達も少しずつ成長します。優しいだけではなかなか成長できませんが、最初のハードルを下げることは必要です。
とりあえず1回やってみよう!
最後に3つ目のお願いは、『挑戦するクセをつける』です。苦手なことがある子は、過去に失敗の体験をしていることで、些細なことにも不安を感じやすく自己否定的にもなりやすいように感じます。
新しいことを試みようとするときに、よく子どもの口から
「無理無理ぼく(わたし)には絶対できない」
という言葉が出てきます。「絶対」なんて言葉を使い「できない」を強調した言い方をするのです。
言葉にはとても大きな影響力があります。もし普段からそう言った言葉を使っている又はその言葉が周りで飛び交っているとしたら、その言葉を浴びる子の潜在的な無限の可能性はどんどん潰されているのではないかと思います。
なので、指導に入るまえに子ども達にはチャレンジすることを習慣化するよう語りかけます。
いっぱい頑張らなくて良いです!でもちょーっとだけ勇気を出して下さい。先生がやってみようと言う練習を、とりあえず1回やってみる!無理だと思っても、ちょっと勇気を出してやってみる!そのちょっとの勇気で出来るようになることが、いーっぱい増えます!やったことないのに、できるかどうか分からないよね?できないのは当たり前!できないから習いに来てるんだよ。できないのは良いけど、やらないのはダメ!せっかくプールに来たのに勿体ないよ!なんでも挑戦してみるクセをつけよう!
この挑戦するクセをつけてもらうことで、水泳に限らず色んな場面で可能性を広げるきっかけになるので、出会った子ども達にはこのことをしつこく伝えています。
ピョンコの生徒さんはきっと耳タコ。
保護者の方へお願い
子ども達に心がまえを伝えた後に、保護者の方にもお話をします。なぜなら、初心者の子どもの水泳指導には保護者の方のご協力が必要だからです。
どんな協力が必要か…それは
『子どもをプールに連れて来る』
です。ただこの1つだけ!しかしこの1つが難儀なことだったりします。
先ほども書いた通り、水が苦手な子はそもそもプールに行きたくありません。
連れて行こうとしたら子どもの必死の抵抗があるため、保護者の方も心がポッキリ折れてしまい途中で行くことを諦めてしまう場合が出てきます。
子どもの全力のエネルギーは凄まじいので、相手をする大人も大変です。年齢にもよりますが、全力で癇癪を起こされたら、もう面倒くさくなっちゃいます。
出してほしくないときに限って全力だすよね…。
しかし!プールに連れて来てもらわないことには、水泳指導はできません。
行くまではギャアギャアしていても、プールに入ると意外とケロッとしているのも水が苦手な子の特徴です。
もはやただの儀式ですね。その子の中で、『嫌だ‼』という気持ちのエネルギーをいったん発散することがルーティンになっているだけだったりします。
相手をする側は大変ですが、溜まったエネルギーは適度に発散させなくては、本体が爆発してしまいますからね。本能的にやっているのだと思いましょう。
うちの子は生物として超優秀~!(ポジティブシンキング)
子どもは大人を映す鏡
さて、まだプールに入らないのかと聞こえてきそうですが、まだです!
まだ大切なことがあるのです。水泳指導だけど、泳ぎ方だけじゃなく水泳を通して生きる力も身につけてもらいたいと思っている欲張りな水泳インストラクターなので、まだです!(しつこい)
保護者の方には、プールに子どもを連れて来て下さいというお願いと、ピョンコの簡単な自己紹介も聞いて頂いています。
親の不信感が子に伝わる
ピョンコは、見た目が年齢よりも少し幼く見られることが多いです。さらに、体格に恵まれていないので、パッと見た感じスポーツの指導者としては頼りない印象を持たれます。
保育園や幼稚園、学校や習い事など、子どもを他人に預けるという状況であれば共通することだと思いますが、やっぱり我が子は安心して任せられる人にお願いしたいですよね。
ピョンコの自己紹介には、外見によるマイナスなイメージを払拭して保護者の方に信頼してもらう目的があります。
保護者が相手を信用していない空気は、自然と子ども達に伝わります。すると、子ども達も不安になりますし、態度も悪くなります。
ですので、ピョンコが何者か、どのような指導をするのかなど、長くならないように簡潔に紹介して、保護者の方に信頼してもらえるように努めています。
だらだら話しても眠くなっちゃいますからね。要点だけ伝えています。
子育てにおいても、親の言葉や態度は、子ども達に大きな影響を与えていると思います。子どもの困った行動を見たときに、ふと自身の言動を振り返ってみると解決策がみつかるかもしれませんね。
人の振り見て我が振り直せってやつですね。なんてこっちゃ。育てるって大変だな…
比べるなら過去の自分と
最後に、何かをする際に人と比べるのではなく過去の自分と比べて、できるようになったことを喜びましょう。
プールに行くのを拒んでいた子が、抵抗することなくプールに来たら褒めます。泣いていた子が泣かずにいたら褒めます。
本当に小さなことで良いので、良い変化をみつけて褒めます。この小さな成功体験の積み重ねは、その子の自己肯定感を育くみ、色んなことに興味を持って挑戦してみる子になれると思っています。
関わる大人がそうした働きかけをすることで、その子もまた他者の良いところをみつけるようになり、その素敵な連鎖をどんどん広げていってくれます。
まとめ
いかがでしたか。水が苦手な子とコミュニケーションによって信頼関係を築き不安を和らげ、新しいことに挑戦できる環境を整え、泳ぎだけでなく人として成長することのお手伝いをする。
なんと、具体的な水泳の指導内容に一切ふれていない!期待はずれの記事で驚き、怒りすら覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
もうそこは、ただただ謝ります。すみませんでした。次回の記事では水中に入ります。
今回は水中に入る前の心がまえ編をお送りいたしました。
ゆるしてケロッ
以上、ピョンコでした!
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